徳島県・海部川
秋の気配の海部川を歩いて。 2016年9月17日
海部川の河口付近、この一帯は、とても開放的な空間が広がっています。
川幅も広いなぁ・・・
徳島県の吉野川は中央構造線に沿って東西に流れている大河ですが、四国東南部の川は北から南に流れていて、比較的短くてきれいな川が目立ちます。そんな中の代表的な清流、海部川。
標高1372mの槙木屋谷(轟山)を源流とする36kmの川で、その上流部の山岳地帯は年間降雨量3,000ミリに達する全国有数の多雨地域だそうです。
AM7:00 河口から500mの地点から上流に向かってスタート。
水温は21.5℃。
とてもきれいな、流域です。
海部川は、名鮎の川としても有名ですが、美しい礫の河床がずっと続いています。
きっとアユの産卵場としても好適なのでしょう。
また、透明度が高いだけでなく、伏流水が多く夏場の水温上昇も抑えられているようです。
大井堰です。
これだと、通し回遊魚たちの遡上には問題なさそうですね。
よく整備されているし、堰の上にもかなりの数のアユがいました
中流域から皆の瀬までの風景です。
とても美しいですね。
皆の瀬橋から上流を眺めます。
この辺り一帯、ゆっくり蛇行しながら淵と瀬が連続する素晴らしい渓相ですね。
皆の瀬はかつて船の発着場だった場所だそうです。
ここから海部川本流は西に大きく舵を切り、深い山中に分け入ります。
さらに本流を上流に向けて進みました。
すると、えん堤がでてきました。
えん堤越えをあきらめた魚が下流を向いたところに魚道の入口があります。
Uターンして魚たちを上流へいざなう仕組みですね。
この魚道の折れ曲がった階段状のところには砂礫が溜まり、ところどころ脇から水が溢れていますが、毎年、アユのシーズンを迎えると、地元の人たちが協力して魚道を整備して、アユの遡上をサポートしているそうです。
この辺りには、25cm級のアユもたくさんいるとか・・・
でも、このえん堤は、何のために造ったのか・・・
さて、轟の滝にきました。
この上には、たくさんの滝があるようです。
今回は時間がなくてここまで。
次は、海部川本流の源流域に行ってみたいと思います。
と、いうことで、海部川河口を見てから、帰ることにしました。
それにしても見事なスギ林ですね、圧巻です!!
緩やかで美しい渓相を堪能しながら、河口に着きました。
そして、河口は意外なほど水量は豊かですし、巨礫が多くて、川としての力強さを感じました。
本当に素晴らしい川だなぁ・・・
左岸側は海岸線が拡がっていますが、砂浜ではなくて礫浜というカンジですね。
次回は、ゆっくり時間をかけて海部川を観察したいと思いつつ、本日の感想は、いろいろな意味で“お手本になる川”というコトです。
カメラ:芳賀元昌/文:水谷要