鳥取県・加勢蛇川
鳥取県 琴浦町の東端で日本海に注ぐ河川で、県下の二級河川で一番長い川。大山に源を発し、日本海に注ぐ25キロの川です。
2016年1月14日の日本海です。
強風でしたが、まだ穏やかな方なのでしょうか?
この川の冬枯れの河口は、なぜか日本的ではない印象があります。
この日は、海の色といい雲の垂れ込み方といい、どこか異国の景色のような錯覚を覚えます。
この加勢蛇川という名前からは神話の世界を連想しますし、蛇は森の神の化身などといわれますが・・・きっと大山から日本海までをつなぐ、神さまの豊かな恵みの川なのでしょう。
加勢蛇川の終着点はココ。
冬の渇水期でも力強く海に注いでいます。
さて、上流に向かって出発します。
大山の地質がもろいからか、相当に礫が多い。この川を管理するのはタイヘンだなぁと、素直な感想です。
河川管理は鳥取県が担当しているそうです。
これくらい急流だと、治水・利水の両面から横断構造物が多くなるのはやむを得ないですが、魚道もだいたい整備されています。
さて、魚たちは、どこまで遡上できているのか?
この川は内水面の漁協はありませんが、アユやウナギ、ヤマメ、イワナがいるようです。
という事は、ネイティブなのでしょうか!サクラマスやアメマスもいるのでしょうか?興味津々です。
中流域の左岸に芝の養生をしている一帯がありました。この辺りは、芝の産地だそうです。
冬枯れの樹木とグリーンのコントラストがステキです。さて、この木は何の木ですか?
素晴らしい枝ぶりです。春にまた訪れて、新緑の芽吹きを感じてみたいです。
法万橋から日本海を望む遠景です。
海が霞んで見えて、とても美しい光景でした。
海から5〜6kmくらいでしょうか。
それにしても、加勢蛇川は急流なんだなぁと感じました。
大山滝橋の辺りから雪がちらつきだしました。
せっかく、スタッドレスタイヤを装備したレンタカーを借りたので、行けるところまで行ってみよう。
大山橋から数キロ上流、もう一面の冬景色です。
それにしても、魚道はよく整備されており、積雪と川の流れのコントラストがキレイです。
前回の訪問時は、大水の後で、礫と倒木が散乱していましたが・・・さすがです。
加勢蛇川の本流は、この辺りまで魚たちが遡上できるようです。
どうも、野井倉橋の辺りが魚止めみたいですね。
もっともっと上流まで、アユやヤマメなどの通し回遊魚が、海と川を自由に行き来できる環境になるといいなぁ。
それにしても加勢蛇川の治水対策はタイヘン!水路管理組合の方々のご努力は相当なものでしょう。
雪がすごくなってきたので、鮎返りの滝と大山滝に行くのは、次回の楽しみにすることにしました。
次は、赤碕漁港に行ってみることにしました。
森の神のお使いとして日本海に注ぐ加勢蛇川は、とても豊かな養分を海に運搬しているのでしょう。
琴浦町の小松副町長と企画情報課 遠藤課長にお聞きしましたところ、大山から北東側の斜面は、いたるところで水が湧くそうです。
洗川と加勢蛇川の間には、豊かな地下水脈があり多くの田畑を潤しているそうです。広大な田園地帯です。
だから米も野菜も美味しいのでしょう。
そのやや西側に、赤碕漁港はあります。
小松副町長の仰るように仏ノルマンディのオンフルール港に、どことなく似ています。
この町にはとても豊かな地誌があるようです。
漁業協同組合の直売センターにいってみました♪
な、なんと魚種が豊富!
ヒラメ カレイ イサキ ミミイカ シロイカ ブリ サワラカワハギ イワシなどなど、大山の恵みなのですね。
その夜の晩酌は、鷹勇の純米吟醸なかだれ、肴は“寒ビラメとキモ”と“モサエビ”でした。
ヒラメのキモはめったにお目に掛かれませんですし、初のモサエビは素晴らしく、身はナマで、アタマと尻尾は焼いて美味しくいただきました。
大山の北東斜面に位置する琴浦町。
そして、その東側を流れる加勢蛇川。
大山から日本海まで、長い時間をかけて形成された黒ボク土の肥沃な大地が、この町の農業発展の原動力。
そして、それらを支えているのが、加勢蛇川をはじめとした川たちです。
郷土史家の方にお会いして、加勢蛇川流域の地誌をお伺いして紹介したい。
いろいろなことを克服しながら人と川が共存している素晴らしい地域として紹介したい。そう思っています。
また、大山-大山滝-加勢蛇川-赤碕漁港-琴浦グルメストリートを結ぶルートは、スポーツ・観光などの「琴浦オリジナル」になると思います。
次回は、上流部や地誌についてリポートしますね。
文/水谷要