島根県・高津川
![高津トップトリミング](http://kawariva.com/wp/wp-content/uploads/2015/01/1cf4e36b3ae6b397a8c674cbbf98d831-600x280.jpg)
本流にダムのない、素晴らしい景観と水質の一級河川。
島根県南部の古賀町を水源とし、津和野町、益田市を流れる高津川。水質調査で度々日本一に選ばれる清流であり、素晴らしい景観を持つ一級河川である。
高津川は食通をうならせる鮎の川としても有名だ。良質の苔を食む鮎は臭みがない。だから、高津川の鮎は、塩焼きや天ぷらだけでなく、背ごし(刺身)で食べても美味しい。
高津川ほど地元民に深く愛されている川もめずらしい。漁協や農協、そして住民が共同で清掃活動などを行ない、堰堤や魚道はしっかり整備されている。上流域に住む子どもたちが、河口でゴミの調査を行なうなど住民の活動も活発で、排水や代掻き水はろ過してからでしか高津川に流さない。
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日本海を一望できる河口。
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流域に広がる田園地帯。
![_MG_36740_800](http://kawariva.com/wp/wp-content/uploads/2015/01/MG_36740_8001-e1423652059210.jpg)
管理の行き届いた堰堤。魚道も確保されている。
流域に広がる、豊かで美しい自然。
雄大な日本海が視界いっぱいに広がる河口から森に囲まれた水源まで、高津川には優美な自然を感じられる風景が広がっている。
例えば、古賀町大井谷の棚田。「日本の棚田百選」に選定された美しい風景が広がり、日本の原風景とも言える光景に心が洗われる。
なぜ高津川の水が清らかに保たれているかと言えば、その流域の豊かな森が大きな理由としてあげられる。シイやカシ、タブなどの照葉樹。ブナ、コナラ、クヌギなどの広葉樹。これらの多種多様な樹林が保水力を保ち、高津川を守っている。
また、水源は公園として整備されており、高津川の歴史を学べる水源会館がある。
![自然のまま景色が残る上流域。](http://kawariva.com/wp/wp-content/uploads/2015/01/MG_39190_800-e1423652198595.jpg)
自然のまま景色が残る上流域。
![澄み切った高津川の水。](http://kawariva.com/wp/wp-content/uploads/2015/01/MG_36840_800-e1423652247846.jpg)
澄み切った高津川の水。
![高津川の水源。ヤマタノオロチの魂が宿っていると言い伝えられる一本杉が立っている。](http://kawariva.com/wp/wp-content/uploads/2015/01/MG_37550_800-e1423652326214.jpg)
高津川の水源。ヤマタノオロチの魂が宿っていると言い伝えられる一本杉が立っている。
高津川と密接に関わる地元文化。
高津川で行なわれる地元住民の祭も盛大だ。毎年6月中旬に、高津川の水源である大蛇ヶ池で雨乞いを行なう『水源祭』。そして、8月の『水郷祭』は、船に神輿を乗せて行なわれる高津川の風物詩。花火大会も同時に開催され、流域の多くの住民が楽しむ。
高津川は鮎で有名だが、流域独自の食文化は他にもある。「うずめ寿司」は、寿司飯にニンジンや山菜がのったもの。素朴な味わいながら、山菜のしっかりとした味を楽しむことができる。
住民たちが地元の川の大切さを知り、長い年月をかけて大切にしてきた高津川の状況は、私たちウォーターズ・リバイタルPj.にとってひとつのモデルケースとなるだろう。これからも高津川の四季折々の風景や活動を紹介し、応援していくと共に、高津川と地元住民の関わり合い方などについて学んでいきたい。
文:堀越大輔