高知県・安田川

安田川トップトリミング

地域生活と深く結びついた、山里の原風景を残す清流。

高知県馬路村を源流とし、安田町を流れる安田川。安田町を訪れてみると、川沿いに古い街並みが残り、歴史ある酒蔵があったり、施設園芸が行なわれていたりと、流域の人々の生活が安田川と共にあることを強く感じる。また、上流域では豊かな日照時間を活かした柚子栽培が盛んで、「馬路村の柚子」といえば、地場産業の成功モデルとして全国的に有名だ。

安田川にはダムがなく、電源開発のための分水によって水量はかつてよりも減少しているが、水質は極めて良い。そして、急流域が多いことや良質の苔の恩恵もあり、鮎にとって絶好の生育環境となっており、安田川の鮎は『清流めぐり利き鮎会』で2度のグランプリに輝いている。

太平洋に流れ出る河口。

太平洋に流れ出る河口。

自然豊かな流域。

自然豊かな流域。

流れが速く、石が多い。

流れが速く、石が多い。

森が覆う上流域。

森が覆う上流域。

安田川を活かした地域創生へ。

安田川水系の小川川のほとりにある「せせらぎの郷小川」は、昭和56年に閉校した旧小川小学校の講堂をリニューアルした宿泊施設だ。夏になると、小川川をせきとめて河川プールがつくられる。かつての日本の子どもたちと同じように、気持ちのよい自然の川の水の中を泳ぐことができる。

旧小川小学校の講堂。

旧小川小学校の講堂。

河川プールで遊ぶ子どもたち。

河川プールで遊ぶ子どもたち。

清流を守るために、山林や堰堤の整備が必要。

しかし、清冽な水質を維持し、地元住民からも愛される安田川であっても、保全状況は良好とは言えない。砂で埋まった堰堤や魚道は整備や、荒廃が進む上流域の国有林の対策が必要となっている。

安田川の自然や生態系を守るために、魚たちが海から上流まで自由に行き来できる、そんな理想の川を目指してウォーターズ・リバイタルPj.は行動していく。

石で詰まってしまった魚道。

石で詰まってしまった魚道。

文:堀越大輔

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