- HOME
- NEWS一覧
- 各地からのレポート一覧
- 御処野誠「2015年の野根川を見て」
御処野誠「2015年の野根川を見て」
2014年11月に東洋町へ移住し、明け2015年1月に初めて野根川に訪れました。県内随一の清流と伺っていましたが、本当に透き通った水の清流です。
関東では沢山の河川で釣りをしてきましたが、ここまで透き通った水の川を見たのは初めてでした。まだまだ気が早いのですが、鮎の付きそうなポイント、川へ下りられるポイントをチェックしつつ、県境から河口まで散策しました。
2015年3月 東京よりお越しになった水谷さん御一行と野根川の源流まで取材にいきました。源流に近づくにつれ川幅は狭くなり、水の透明度もさらに増していき、上流部では空気の様に透き通った水が流れていました。
以前は崩壊していた堰堤も修復されており、魚にとっても住みやすい環境になっておりました。3月1日から解禁となったアメゴ釣りを少々楽しみ。水谷さん御一行がお帰りになった後は、川沿いにある桜の蕾が開くのを「いまか、いまか」と待っていました。
2015年4月 野根川沿いの桜が一斉に開花し、春の気候に。そろそろ稚鮎の遡上が確認できるのではないかと、毎日野根川に訪れました。
最初に遡上を確認できたのも4月ですが、鴨田橋上の堰堤で減水しているためか、堰堤を越えるのに大苦戦している小さな稚鮎達。少しの工夫で魚にとって遡上しやすい堰堤に変わるのではないかと思った時です。河口付近の砂で河口がほとんど閉まっており、それも魚に大きく影響するのではないか?と思いました。
2015年5月 鮎解禁まであと1か月、どうしても我慢できずに野根川アメゴ釣りへ。
県境付近、船津の支流へ。のんびり泳ぐアメゴがこちらから丸見え、もちろんアメゴからも釣り人が丸見え、しかし逃げない、警戒心無さ過ぎ・・・。
遡上している鮎達は大きめの稚鮎でなんとか堰堤を越えられているか? 小さい稚鮎はほとんど登れない状態でした。6月の解禁まで楽しみ半分、心配も半分。
2015年6月 いよいよ待ちに待った鮎解禁!!水量もよろしく、初釣行開始。
大戸沈下橋下にて、15cm~20cmに育った鮎が釣れました。冬季の透明度からは少し濁りがあるものの、川底が見える程の透明度、周りの緑も青々し始め、貸切の野根川で静かに釣行できました。
利き鮎グランプリに選ばれたという鮎を食べてみると、さすが!!! 綺麗な川、綺麗な苔で育っただけあります。他の河川と比べても鮎の中でもトップクラスではないでしょうか。
これから始まる鮎シーズンに心ワクワクした瞬間でした。
2015年7月 台風が東洋町を直撃!!さ すがの野根川も濁流となり釣りは絶望的・・・かと思われましたが、上流にダムがない野根川の復活は早いものでした。台風通過後3日もすれば釣行可能に。サイズも25cmオーバーがチラホラかかるようになりました。
暑い日には川で泳ぎ、木陰の下でおにぎりを食べ、田舎の贅沢をたくさん味わえました。
2015年8月 トップシーズンを迎えた野根川、お盆休みには多くの釣り人で賑わっていました。混んでいる川は苦手なので平日の釣行を狙っていました。大戸沈下橋下の荒瀬でのガンガン追ってくる活きのいい鮎達。竿が折られそうな引きを楽しめました。
また、川口のトロッパでは家族連れがBBQしたり、川遊びしたり、「真夏の野根川」となっていました。(釣りに夢中になりすぎて画像ありません)
2015年9月 鮎のサイズもグングン大きくなり、楽しくなってくる季節。
県内外からお客様をお呼びして野根川を紹介するイベントに鮎釣りデモンストレーターとして呼ばれました。餌釣りが有名な高知県で友釣りをご披露。鮎の習性・釣り方・河川環境の保護などをお伝えいたしました。また川遊びと一緒に野根川で暮らす手長エビや川エビなども実際にエビ箱を仕掛けて体験して頂きました。野根川河川組合の方も前向きにご協力頂き大成功のイベントとなりました。鮎サイズ27cm越えも・・・尺鮎に出会えるかも。と期待しています。10月15日で今季の鮎は納竿です。
●2015年野根川を振り返って
野根川の美しさに驚き、解禁を楽しみに待っていましたが、今年もあと僅かで納竿となってしまいました。解禁前に東洋町側の堰堤が魚に取って意味を成していない事が分かり、心配でなりませんでした。
解禁後の釣行で全く遡上できていない訳ではない事を確認して少し安心しましたが、それでも鮎の数は少ないのではないかと思います。河口付近の砂や、堰堤の魚道を改善することで魚が豊富に住む野根川が出来るのではないか。と思う所です。
まずは現状の環境を保護していく事ですが、少しずつでも魚の住みやすい川に変えていく事が東洋町の活性化にもつながって行くのではないかと思います。
川だけではなく、周りの文化、歴史も合わせて守っていく活動をしていきたいです。